人生100年時代、今後さらにライフスタイルやキャリアが多様化します。
一人ひとりに合う人生戦略を描けるからこそ 『自ら考え抜き、答えを出し、実行修正し、実現する』このサイクルを回せると持続可能な自己実現が出来ます。
今回は『心臓で苦しむ人を幸せに』をビジョンに掲げる、コルクレド株式会社 代表取締役の秋山典男さんからコーチングの感想や変化を伺いました。
❙ 「これを続けたら確実にビジョンに近づく」と実感
ーー5年ほどコーチングを活用してくださってますが当時の課題を覚えてますか?
あれから、もう5年も経つんですね(笑)
そうですね…当時は「起業に向けて準備を進めること」に課題を感じていましたね。
というのも、ゆくゆくは起業して「心臓病の社会問題を解決する」というビジョンがあったんですが、当時は転職を決めたばかりの時期だったんです。それもあって、目先の「転職先で結果を出す」にばかり軸足を置くのではなく「起業に向けた準備」も何としても進めたかったんです。
ーーコーチングに期待していたことは何でしょう?
「ビジョンに向け、日々実行する」これは絶対やりたいと思っていました。
どうしても人って忙しくなると「目の前のことが忙しいから…」と、長期の物事を考える時間も余裕もなくなってしまうと思うんです。
しかも、「先送りしているな…」と自覚していても「自分に向き合う」って一人だとなかなか難しいんですよね。「わかっちゃいるけどできない」っていう、あるあるですよね(笑)
それもあって、コーチングを取り入れることで「ビジョンに向き合う」「自分の考えをクリアにする」「起業に向けた準備をする」これらを定期的に行うことに期待がありました。
ーーそんな期待はありつつ、実際に「続けよう」となった決め手はなんでしたか?
体験コーチングを受けて「これを続けたら確実にビジョンに近づく」と感じたからですね。
その時のコーチングでは「ビジョンを明確にする」だけではなくて「今すぐできる行動」まで落とし込めたんです。最終的に「24時間以内に何をするか?」という問いに対して「今日中にボランティア先を調べる」という具体的なアクションまで決まりました。
ーーその後は、実際にどうされたんですか? はい、そこからすぐに行動に移したんですよね。
ボランティア先を見つけて、国立がん研究センターという施設で、がんの子供たちや兄弟と触れ合うボランティアにも参加しました。
そんな体験を通じて、将来的なビジョンを描くことも大事ですが、それと同じくらい「まずは目の前の人達を幸せにする」という活動も考えないとな…と感じました。
それで「これを積み上げていったら、確実にビジョンに近づく」って思ったんです。実際、そういった小さなきっかけからどんどん変わっている実感もありますね。
❙ コーチングは “刃を研ぐ時間”
ーー「コーチングの一番良いところ」はなんでしょう?
一番良いと思うのは、一人だと答えが出ないことでも、答えを出せることですかね。
一人で考えても答えが出ないことに一人で向き合うと、3パターンくらいの行動に分かれると思うんです。1つ目は「多くの時間を割く」2つ目は「後回しにする」3つ目は「考えるのをやめる」ですかね。
こうやって、一人で考えると結論が出なかったり、時間がかかったりするんです。
その一方で、コーチングの時間をとると、短い時間でしっかり答えが出たり、ヒントが見つかったりするんです。
それこそ、2018年に転職して目標や計画を作る時にも「将来的なビジョンも見据え、目標は◯◯。そこに向けた行動は◯◯」みたいに具体的な話をしたんです。自分ひとりだとそこまで綿密に考えられなかったですし、具体的に決めたことで、やることが明確になって一気に突き進めましたね。
というところなんですけども…。
ん〜〜、なんだろう。うまい例えが浮かばないなぁ…(笑)
ーーわざわざ例えてくださろうとしているんですね(笑)
はい(笑)
…あ、そうそう。「コーチングがない状態」を自転車に置き換えるなら、空気がペラペラの状態の自転車に乗って、目的地も決めずに進んでいる状態みたいな。走れなくはないんですけどもムダな動きが多かったり、スピードが遅かったり…。
一方、「コーチングがある状態」は、空気が入っていて、目的地も明確なのでスムーズに進むことができるんです。
あとは、『オノを研がない、木こりの寓話』なんかも近いですかね。
ーーそれって、どんな話でしたっけ?
あれは、木こりが毎日毎日、力を込めて木を切り倒す話ですよね。
最初のうちはたくさんの木を切り倒せるんですが、オノを研ぐ時間を作っていないので、日に日にオノが刃こぼれするんですよね。すると「頑張りとは裏腹に、徐々に結果がでなくなる」という話です。
もちろん、オノの手入れをしなくても、木を切れるは切れるんです。でも、オノを研ぐことで今までの何倍もザックンザックンと切れるんです。
同じように、コーチングの時間は「自分の刃を研ぐ感覚」ですね。
もちろん、刃を研がなくても日々の活動はできますが、研磨を怠り続けると意思決定ができなかったり、効率が悪くなるんです。
ただ、定期的に刃を研ぐことで悩む時間は減りますし、意思決定の質も効率もすごく上がるんです。コーチングはそれに近いですね。
❙ 決めたことを後回しにすると “そういう人生” になる
ーー車の運転でも、定期的にナビを見て軌道修正しないと迷子になりますもんね。
はい。特に自分は方向音痴なのでナビを見ないと見当違いの場所に行っちゃいます(笑)
あと「7つの習慣」ってあるじゃないですか。あの本の7つ目の習慣が「刃を研ぐ」のはずなんです。それだけ「刃を研ぐ」は大事なんでしょうね。
そもそもコーチングを受けたきっかけも、大坂谷さんから「第二象限(重要だけど、緊急じゃない活動)をサポートする仕事をしているんです」という話を聞いて。それですぐに「やらせてください」という話でしたし。
ーー刃を研いだことでできた意思決定の具体例はありますか?
それこそ「起業」は、まさにそうですね。
元々ずっと「起業したい」と思っていたんですが、コーチングを受けているうちに「起業したい」から「起業する」に変わっていたんですよね。これもコーチングを通じた自分の変化ですね。
「起業には何が必要なのか?」「起業に向けてどんな準備をすると良いか?」などを話して「2020年11月12日までに1000万円貯めて起業する」って決めたんです。コロナ禍という逆風もありましたが「それに関係なく起業する」という意志も強まりましたね。
創業されたコルクレド株式会社のビジョン
ーーコロナ禍でも起業の時期を変えなかったのは何故ですか?
それは「決めていたから」ですね。
明確に「2020年11月までに絶対やる」と決めていたので。「決めたことを曲げて後回しにしたら、今後の自分の人生はそういう人生になる」と思っていたんです。
なんていうか…。後回しにするって結構簡単だと思うんです…。
だからこそ、それを後回しにせずに「決めた通りにやる」が大事なことだと思っていて。そういう意思決定をすごく後押ししてもらっていると思っていますし、それがコーチングで研ぎ澄まされて、自分の意思決定がさらに確固たるものになっていますね。
ーー起業後もコーチングを活用している一番の理由は何ですか?
やっぱり「刃を研ぐ」です。コレに尽きますね。
自分の中でコーチングは「キチンと刃を研ぐ時間」なんです。一般的に、経営者は「他の人に相談できない」「誰にも打ち明けられない」という悩みがあったり「最終的には自分で意思決定をしないといけない」など一人で悶々するようなことも多いと思うんです。
けど、そういった重要な意思決定やモヤモヤをコーチングの場でクリアにできるんです。
それこそ2か月前のコーチングでは「事業の方向性そのものを変える」という内容で、大きくかじ取りを変える話でしたし。
あれは非常に大きな意思決定でした。こういう意思決定のとき「自分の思考を磨いて決断できる」と感じています。
❙ 望んでいるのは「挑み続ける人生」
ーー最もチャレンジングだった取り組みはなんでしたか?
法人設立の初年度で「売上1億円を目指す」と掲げたのはチャレンジングでした。…が、全然達成できずだったのでチャレンジングというか無謀すぎたというか。
それ以外では「コロナ渦に起業する」「前職で圧倒的な目標を掲げて達成する」「クラウドファンディングを成功させる」とかもそうですね。でも、いま振り返ると、大きなチャレンジをしている感覚がないので、まだまだチャレンジしたいですね。
ーーまだまだチャレンジしたいと感じているんですね。
はい。というのも、どんなチャレンジでもタスクに分解すると小さくなると思うんです。
それこそ最初は「クラウドファンディングを成功させる」も相当なチャレンジでした。ただ、実際にやってみたら簡単とは言わないですけど「タスクに分解すればできちゃう」っていう感覚でした。
自分の中でのチャレンジは「明らかに無理そうなことをやる」というイメージなんです。そう考えてみると、もっともっとできる感じがするんですよね。
▼クラウドファンディングページ
ーー「いつの間にか射程範囲に入ってた」ということもありますもんね。
はい、まさにいま話していて面白いなと思ったんですが…。
今の時点で「これは無謀だ」と思うことも、2年後、3年後は無謀でなかったりすると思うんです。自らのスキルや経験が積み上がることで。それって成長した自分からするとチャレンジというか「手が届くところにチャレンジする」っていう感じになっていると思うんです。
例えば、階段を1階から100階に登るのはチャレンジですが、やってる本人からすると1段1段のぼっているので「すごいチャレンジした」というよりは「ああ意外といけちゃうもんだな」と感じると思うんです。
ーー今の「チャレンジングさ」は、10段階で何点ですか?
ん〜〜〜、まだ「6」とかじゃないですかね?
「まだまだ!まだまだだよ!」っていう感じです(笑)そもそも自分が「どんなライフスタイルをしていきたいか?」というと、「挑み続ける生活」っていうのが、自分が望んでいるライフスタイルなんです。だから、これからもどんどんチャレンジしたいですね。
ーー例えば、今後チャレンジしていきたいことって何ですか?
やっぱり「スピード感もって心臓事業を上場に導くこと」ですね。
やってみて難しさもよく分かりましたし、上手く進まないと「もう少しじっくりやるのも良いんじゃないか…?」と、弱気になる自分もいたりもあるんですけども。
それでも挑みたいですね…。
いまは本当にもがいてる状態ですが、ここを超えるとまた新たなステージにチャレンジできると思うんです。やっぱり「チャレンジし続ける人生にする」と決めているので、どんどんやっていきたいですね。
❙ 自分の「思考の壁」を越えた
ーーすこし角度を変えた質問ですが、内面的な変化はどうですか?
あー…それだと3つですかね。一言でまとめるとセルフコーチング能力でしょうか。
まずは自然に「アイデアを実行に移す」という思考サイクルを回せるようになりました。
コーチングでは考えるだけでなく「考えたことを、いかに実行に移すか?」まで計画するんです。これが身についたので「これをやろう」と思いついたら「いつまでに何をする?」と自然に考えていますね。
2つ目は、なんて言うんだろう…「自分の思考の壁を越えられた感覚」とかですかね。
自分1人では「これはムリそう」と考えを中断しそうなことでも、コーチングでは「(できるできないは別として)理想の状態は?」「できるとしたら?」「どうしたらできる?」と、目的や理想から考えるんです。
それもあって、日頃から「理想の状態は?」と考えるようになりましたし、ハナから諦めそうなことでも「どうしたらできる?」と実現方法を考えたり。そんな変化がありますね。
3つ目は「肯定的な側面に目を向けること」もクセづきましたね。
振り返りをするとき、思うように進んでいなくても「全然できなかった」ではなく「ここはできた。ただ、ここは課題だから、もう少し工夫しよう」などと建設的に考えるようになりました。
人って、つい「ダメなところ」に目が行き易いと思うんですが、できたところにもちゃんと目を向けられるようになりました。こうやって5年近くコーチングを受けていて、自分の色々なところに影響を及ぼしていると思います。
❙ オススメなのは「理想のある人」
ーーコーチングをお勧めするとしたら、どんな人にお勧めですか?
これは明確ですが、やっぱり「独立や起業しようとしている人」には凄く良いと思います。
例えば、同世代の「コーチングに出会ってない人」とかで、起業や独立しようとしている人には、すごくいいんじゃないかなぁ。まさに昔の自分みたいな人にお勧めしたいなっていう感じがするので。
ーー逆にお勧めしない人がいるとするとどんな人ですか?
ある程度、道筋が決まった道を歩みたい人ですかね。
例えば「先行きの安定した職業に就き、安定した暮らしをして、安定した生活をしたい」とか。あるいは、すでにそういう生き方・働き方をされていて満足されている方ですね。
そういった現状に満足している人だと、コーチングを受けても「あまり価値がわからないな…」「物足りないな…」と感じるかなって思うので、ちょっともったいないですよね。
やっぱりこう…「もっとこうなりたい」「もっとこうしたい」とか、そういう理想がある人。もっといえば、理想と現状のギャップに葛藤している人にお勧めしたいですね!
ーーありがとうございました!
▼ プロフィール|秋山典男
1990年生まれ。生まれつき、心臓病を持ち、2歳の時に手術。21歳の時に別の心臓病を患う。学習院大学を卒業後、ソフトバンク(株)に入社。転職しIndeed Japan(株)に入社。2020年にコルクレド株式会社創業。
▼ 所属
・コルクレド株式会社 代表取締役
・W hospitality株式会社 社外取締役
・一般社団法人 全国心臓病の子どもを守る会 埼玉 役員
・一般社団法人 日本循環器協会 会員
▼ Company
https://corcredo.co.jp
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